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ウーバーイーツ1ヶ月やってみた

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4月の初めから丸1ヶ月、ウーバーイーツの配達員として働いた。

コロナショックで、3月には機内清掃の収入はガタ落ちになった。web制作のフリーランスとなるにはまだ準備が足りない。また、自分の現状レベルではクラウドワークスで探せる仕事も単価が安すぎて、そちらに踏み出すのには躊躇し続けている。

朝決めて昼にはサポートセンターに直行

3月下旬のある朝、ふと思い立ってウーバーイーツの情報を集め始めた。これはやれる!と直感し、その日の午後には、浜松町の大門にあるサポートセンターに赴いて、配達員の登録手続きを済ませた。

ウーバーイーツ始めた

そして、その1週間後には、amazonで注文した2万円代のクロスバイクで仕事を始めた。

最初の2日ほどは、アプリの操作方法にとまどって、ダブル注文が入った時にピックアップ先のレストランで慌てたりしたが、仕事そのものには3日目ぐらいには慣れた。そしてすぐに、思い切り楽しみ始めた。

石神井公園近くに住んでいるので、練馬区から杉並区や中野区、そして西東京市あたりで稼働することが多い。2年半ほど東京に住んだが、その間、ライブ活動は数えるほどしかやってないし、IWJ時代も羽田空港に通うようになってからも、通勤以外に東京の町をぶらつくことがほとんどなかったので、配達しながら自転車であちこちに行けるのは、楽しくて仕方がない。

東京自体には、20年以上前からちょくちょくライブに来ていたが、これまでは点でしか知らなかった中央線沿いの街が、自分の中で一気に、面でつながった。あと、例えば夜10時に荻窪あたりで配達終了して練馬に帰ろうと思ったら、微妙な登り坂がダラダラ続いてしんどいという、自転車だからこそわかる地理感覚がつかめるのも楽しい。

緊急事態宣言下の街を走る

配達を始めて3日後の4月7日からは、緊急事態宣言下での配達となった。

緊急事態宣言下の阿佐ヶ谷

非常事態宣言下の阿佐谷・飲み屋街

日中は「どこが緊急事態?」と思うほど人がごった返してる(それでも9割がたの人がマスクは着けている)ところもあるが、やはり夜8時以降になると、駅前を除けば街はすっかり静まり返る。

当然、宅配の需要は高まっているはずだが、配達員も急増しているのが実感できる。池袋西口に流れた時などは、各交差点ごとに配達員の姿を見たし、杉並の静かな住宅街などでも、視界に3人ほどの配達員が目に入ることがあるぐらいだ。

練馬と野方(中野区)周辺で高密度に動いた

そのせいか、アプリがひっきりなしに鳴って忙殺されるという体験はしたことがない。それでも、ちょっとずつコツがわかってきたせいか、時給換算にして1000円を切ることはあまりなくなった。

例えば4月26日は、練馬区と中野区で高密度に動き回ってるのが、Zeopoxa cycling というアプリの記録からわかる。これは、西武池袋線の練馬駅から西武新宿線の野方駅の間で、ショートドロップ(短距離の配達)が連続したためだ。

この日は8時間で18件の配達をこなし、¥8,362の報酬。走行距離は67キロだった。

帰りたい時のロングピックはギャンブル

レストランでのピックアップを受ける時、アプリが鳴った時点では、どのレストランに行くのか、行先はわからない。また、レストランで品物をピックアップするまでは、配達先がどこになるのかはわからない。

所沢まで飛ばされた

元気な日中のうちは、どこに飛ばされようと「どこでも行くで〜」と余裕をかましてるし、むしろ、未知の場所に流されるワクワク感もある。

しかし、帰る方向を意識し始める夜8時か9時ごろになると、ロングピックを受けるのは博打に近い。例えば、そこそこ疲れて練馬近くまで戻って来たタイミングでアプリが鳴り、いちかばちか長距離ピックアップを受けたら、行き先が西荻窪やった! そうしたら再び、杉並区へのゆるい下り坂を戻らねばならない。

5月1日は、練馬で何件か配達が続いた後、西東京市から東村山市へと流れ、最終的には埼玉の所沢市まで流れ着いた。初めての土地、所沢で何件もの配達が続いて、それはそれで楽しかったが、さすがに練馬に戻る道中は、背中がガチガチに痛かった。

それでも、自転車で未知の土地を回りながら金が稼げると思ったら、さほど苦にはならない。

コロナ感染リスクは?

コロナ感染のリスクはどうだろうか?

玄関先への置き配が増えて、配達先のお客さんとは顔を合わせないケースが多いとはいえ、現金受け取りの案件もあるので、お客さんとの接触は完全にゼロではない。もちろん常時マスクはしているし、ほとんどのピックアップ先レストランには消毒用のアルコールが置いてあるので、例えば20件ほどの配達をこなした日には15〜16回ぐらいは消毒している計算になる。

それと、自転車で数十キロ、多い日は90キロ近く走り回るので、とにかく飯をよく食うようになった。消毒、手洗い、うがいをサボらず、栄養をしっかり摂って免疫力を高めるという、当たり前のことをやり続けるしかない。

コロナは一年やそこらで収束するとは思えないし、ウーバーに限らず、これまでにない働き方が出てくるのは必然なのだろう。事故った時の保障の問題とか、不安な点も確かにあるし、配達員への評価制度など、意味がわからない不透明な事も多い。そこらへんの疑問については、去年の秋に立ち上がったウーバーイーツユニオンが具体的に問題点を指摘したり対案を提示していて、共感が持てる。

ウーバーイーツユニオン・公式サイト
https://www.ubereatsunion.org/

それにしても、2年半の東京暮らしのラスト1ヶ月を、奇しくも緊急事態宣言下で自転車で走り回ることになるとは思ってもいなかった。

雨に降られた時に、いかにストレス少なく配達するかとか工夫してるうちに、忘れかけてたアウトドア熱もムクムク頭をもたげてきた。そこらへんについても近いうちに書こうと思う。