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伊賀谷を釣り登る

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伊賀谷を登る

きつい雨が何度か降り、数日カラッと晴れていた。ウーバー配達中に見る山科川も、増水が落ち着いて、トルクある透き通った水が勢いよく流れている。

葛川本流や明王谷のような深い谷はまだまだ水量が多いだろうが、小規模の沢に入るにはいい感じだろう。久しぶりに谷を一本まるごと、釣り登りたくなった。

快晴だが完璧な山ヒル対策

これまでは視認性最優先で10号針ばかりに毛ばり巻いてきたが、数日前、小ぶりの12号と14号に40本近くの毛針を巻いた。

エルクヘアカディスとピーコック&オレンジ、夏に向けて定番となりそうな毛針だ。いずれもハックルは1重に軽く巻いた。

ウーバーイーツのクエスト「未払い」問題の用事を片付け、10時前に出発。花折峠を越えて、葛川沿いを走るが、今日も釣り人の姿は見かけず。伊賀谷入口の駐車スペースも空だったので、迷わず停める。

山ヒル対策

山ヒルに備え、完璧な足回り

この沢では過去に何度も、山ヒルの猛攻を受けている。今日みたいにカラッと晴れた日は、山ヒル出現の心配はまったくないが、足回りは完璧に固める。

これまではアユ足袋に速乾性の作業ズボンの裾を入れ込んで紐でしばっていただけだが、アマゾンで買ったインナーソックス を間にはさむことにした。これだと、足袋が破れても、ヒルの侵入は防げるだろう。

ルアーかテンカラ試したい開けた好ポイントを横目に見ながら、下山後の帰路に狙うことにして、林道終点へ急ぐ。15分ほどで、谷が左股と右股に分岐する林道終点へ。

木漏れ日でキラキラ輝く流れに我慢できず、11時半、左股に入る少し手前から釣り始める。小さな落ち込みの肩から、小さなアマゴが慌てて飛び出した。

急いで林道を登って来たので汗がなかなか引かず、偏向グラスがすぐに曇る。

釣れる予感しかない!

林道が切れた先、左股の前半は軽く飛ばすつもりだったが、自分の記憶している以上に、樹木のかぶさりが少なくて川が開けたようす。思ったより、竿をのびのび振れる。

心の中で「釣れる予感しかない!」を連発しながら、ウキウキして毛針を投入し続ける。

水量は多めで、魚が落ち込みの肩や瀬尻にまでのびのびと広がっている。12号に軽めに巻いたエルクヘアカディス、ピーコック&オレンジが絶好調で、16~18センチぐらいのヒレピンのアマゴが次々釣れる。

ピーコック&オレンジは、水勢に押されてすぐ沈むが、魚が水中でゆったりくわえるのか、空合わせでもよく釣れた。ピーコックをくわえた21センチのアマゴを一尾キープ。

この沢では、過去に何度も何度も山ヒルにやられている。出る時はうじゃうじゃ沸いて出るヒルは、今日みたいなカラッと晴れた日は落ち葉の陰で縮こまってるのだろうか。

ヒルに怯える必要もなく、樹林の間から明るい日が差して、最高の沢登り日よりだ。写真で、その最高感を伝えられないのがもどかしい。

伊賀谷の源流

唯一高巻きが必要な滝を越えると、しばらく狭くて浅いゴルジュ状の流れが続く。見釣りで20cm弱のイワナを釣ったが手元で落とした。

滝を越えると、すぐに開けた明るい流れになると記憶違いしてたが、両岸に岩肌が迫って暗い、段差のある厳しい流れが続く。やはりこの沢も、きちんと朝早く入るべきだな。このゴルジュ帯は、午前中の明るい陽光の下で、釣り登りたい。

八丁平の林道と合流したので、竿をたたんだ。ここから先の源流部分は、高原の中をゆったりと流れている。この開けた流れは、もう少し増水している時に後に楽しそう。

林道沿いの樹にコンビニ袋がぶらさがってるように見えた。近づいて見ると、モリアオガエルの卵塊やった。

右股へと下る急坂に取り付く峠は、かつては、伊賀谷の対岸の山並みが見通せたと記憶しているが、杉が育って景色がまったく見えなくなってた。

20分ほどで急坂を下って釣りを再開。林道沿いの開けた流れの、良さそうなポイントを急ぎ足で拾いながら、6時過ぎまでテンカラ竿を振った。ピーコック&オレンジに16センチぐらいのアマゴ2、3尾。

持ち帰りできる20センチ越えは釣れずだった。この谷でそれなりのサイズや大物を釣りたければ、やはり深場をマスターしないとな。

ライズのない夕まずめ

今年に入って恒例となりつつある、中村大橋の夕まずめを狙う。釣り人の姿はまったく無し。本流だけあって、さすがに水量が多い。

これまでここに来た時に見たような、あちこちでライズする気配はなかった。ライズらしき魚の動きは、一度だけ見た。

1日中、ポイントが即座にわかる沢で過ごした後ということもあり、増水気味の本流は難しい。魚の活性自体は高いに違いないが、ポイントが読めず、エルクヘアカディスを瀬のどこに流すべきか迷う。逆に、どこに流しても釣れる気がしてしまう。

それほど浅めでない、流れの中心を、ちょっと流し過ぎてピックアップする時にクネクネとした引きがあり、22センチのアマゴをキープ。

最後に大場所でルアー試してみたが、キャスティングがぜんぜん駄目で、あらぬ方向に飛ばしたスプーンを、流れを横切って回収して、この日はおしまい。

本流で、ルアーで渓魚を釣れる日はいつ来るのか。