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渓流を一時離脱してケタバス釣り

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渓流から離れて、琵琶湖にちょっと浮気した。
そう!安曇川下流で、ついにケタバスを釣り上げたのである。念願の、ルアーでの初釣魚でもある。嬉しい!

源流でアマゴ、下流でケタバス狙い

長い長い梅雨が明けた! 7月いっぱいは本当に雨が降りまくった。豪雨の中で自転車で、「いかにストレス少なく」ウーバーイーツの配達をするか、に関しては、自分なりの方法が確立できたので、そのことはまた書きたいと思う。

ともかく、クソ暑い(そして、恐らくクソ長い)夏に突入だ。

早朝から葛川上流でアマゴを釣ることにした。しかし、過酷な真夏に突入した以上、1日中は集中力が持たないだろう。そこで、渓流は午前で切り上げ、午後は、前から釣ってみたかったケタバスが釣れるかどうか琵琶湖方面に偵察に行こうと計画した。

真面目に早起きして、暗いうちに家を出発。

やや増水の葛川、かろうじてアマゴ一尾

花折トンネルをくぐって、葛川(安曇川上流部分)の平(たいら)集落に到着したのは6時。すでに十分明るい。がんばって、もう30分は早く着きたいところだ。

何の変哲もない平瀬から、アマゴが飛び出した

橋を渡って、集落のすぐ上流から川に入る。十分すぎるほど雨が続き、その後2〜3日は晴れが続いていたから、増水が少し落ち着いて、水量の具合がちょうどいい。

小堰堤でルアーを試したりしつつも、基本はピーコックの毛針をつけてテンカラ竿を振る。

林道沿いの、何の変哲もない玉石底の平瀬から、アマゴの好反応が続いた。塩焼きで食うため、21センチのアマゴを1尾キープした。

その後も同じくらいの良型アマゴを釣ったが、この調子だとまだ釣れるだろうと、気持ちに余裕があったのでリリース。

テンカラで釣ったアマゴ

7時を回って、完全に日があがったころ、林道を歩いて登ってくる釣り師の姿が目に入った。

この先数百メートル上流の橋ぐらいから入渓してくれるとありがたいな、と念じつつ、「思い切り上流から入ってもらえますか…」と声をかけてみた。快くOKしてくれた。

ここからしばらくは川と林道が大きく離れるので、この釣り人が川に入るのはおそらく、次に林道と出会う地点だろう。少なくともそれまでの区間はのびのび釣れるだろう。この区間に入るのも10年近くぶりか。確か、変化のあるいいポイントが続くはずだ。

アマゴの好反応が続いたのは7時半ぐらいまで。林道と離れてからは小アマゴ、それに油断したらカワムツが出るようになった。この川は確か、次の橋より上流あたりではほとんどカワムツを釣った記憶がないが、どのへんがカワムツ生息圏の境目なのだろうか。

平瀬が続く林道沿いあたりの流れが、今日ぐらいの増水では、テンカラにちょうどよい。落ち込みや段差のある瀬は、白泡がきつく、テンカラには難しい。

ちびアマゴもシャープで美しい

しかし、白泡の複雑な流れにエルクヘアカディスを浮かしている間、白泡の隙間で、毛針に鼻先まで接近する渓魚も見えた。

それから、水面が平らな、やや流れのある深み(落ち込みの肩より少し上流)に、ここぞとばかり、最終兵器ピーコッククイルを流したが、スッと近づいたアマゴに、あっさり見切られた。14号など、もっと小さいサイズも巻いたほうがよいかもしれない。

次の橋の上下流の瀬は、普段はテンカラにはベストな穏やかな流れだが、長雨の増水が収まらず、だいぶ流れがキツかった。

サルナシ

いかにもアマゴが飛び出しそうな瀬にかかっていた、皆子山への登山口の丸太橋はなくなっていた。いつかの台風で流されたのだろうか。

記憶に残る数カ所のサルナシの木は健在だった。9月の渓流シーズンが終わる頃に熟して食べ頃になる、親指大のキウイのような実はめちゃくちゃ美味なのだが、どうやら今年は実はつかない年のようだ。

真昼間の12時ごろ納竿して、林道を平へ戻る。結局、キープできたのは、最初に釣れた21センチのアマゴ1尾だけだった。

琵琶湖ケタバス偵察は不発

堅田へ戻り、そこからは湖西バイパスではなく、川の河口を中心に偵察しようと、湖岸の生活道路沿いに琵琶湖を北上した。

和邇川の河口付近では投網を打つ人がいた。細い流れの中、1尾、ケタバスらしきシャープな魚影も見た。

蓬莱の浜、近江舞子、北小松の浜と北上するが、人と車にあふれかえっていた。梅雨明け初の日曜日のカンカン晴れだから、これは仕方ない。

木戸川河口など、いかにも良さそうな礫底の浜が広がっているが、この時期は駐車がたいへんやな。

思い立って、琵琶湖の湖岸ではなく、安曇川の川そのものに行くことにした。去年の夏にも一度見に来た、河口から2本目の本庄橋から見下ろすと、流れの脇のテトラポットの間にオイカワらしき魚が膨大な数で群れている。底ではニゴイか何か、大きい魚がギラっと反転して光っている。

魚はウジャウジャいるが、釣り人や川遊びの人影は、上流にも下流にもまったく見当たらず、シンと静まり返っていた。

安曇川下流にて

滋賀県農政水産部水産課の看板が立っていて、あゆ産卵の保護水面区域のため9月1日〜11月30日は何も獲ってはいかん、とある。また、北船木漁協の看板も立っていて「やなの上流50メートルから河口部までは、やなの設置期間中は漁獲禁止」とある。しかし、やながどこに設置してあるか、そしてその期間は書いてない。

ともかく、ここで釣りをするのは無理で、保護水面区域より上流に向かうしかなさそうだ。JR湖西線の一つ上流にかかる常安橋に向かう。

川沿いに走るが、広大な河原はずっと無人。1カ所、カワウがペンギンの群れみたいに集まっている瀬があったが、かなり異様な眺めだった。

驚愕の安曇川下流部、ついにケタバスを釣る

常安橋の下には4時半ごろ到着。整地された河原には、車で乗り入れ可能だった。タープを張ってくつろぐ家族連れが3組ほどと、上流には鮎釣り師が数人見えるが、やはり静かそのもの。

最初は、橋桁周りの深い流れにスプーンを投入。しかし、流れが早すぎて、ルアーがあっと言う間に流される。

初めて釣り上げたケタバスは銀色に輝くメス

上流に広がる浅瀬で、アップストリームキャスト繰り返すうち、重い手応えがあって銀色の魚体がクネクネして、外れるのを見た。

その後、すぐに待望のケタバスを釣り上げた。銀ピカのメスだ。

最初のメスに続いて、30センチをわずかに切るオスが釣れた。

30センチ近いオスのケタバス

オイカワを巨大にして顔だけ獰猛にしたような、虹色に輝く見事な魚体。図鑑で見る姿そのものだ。

まだ、アタリがよくわからず、何となく重みを感じた時点で合わせを入れたら、かかっているという感じだった。最初の数尾は、そんな感じで釣れた。

ランディングネットも初めて使ったが、しっかり針掛かりさせた上で、空気を吸わせた後に、エラに手を入れれば、ネットを使わずに立ち込み中に取り込むのも可能だった。

この穏やかな流れから、ケタバスが釣れまくった

ケタバスのルアー釣り。ともかく、めちゃくちゃ楽しい!

アップストリームキャストよりも、上流の流心(対岸寄り)に向かって、アップクロスストリームキャストをする方が、よく釣れるようだ。

何度かやってるうち、ゴン!というアタリで合わせることもできた。スプーンは4gの鮎カラー。瀬の鮎を飽食中なのだから、鮎カラーが一番釣れるのかな?

しかし、鮎カラーをくわえたオスを、目の前でルアーごとバラシてしまった。ケタバスの硬い口で、何度もバラシをしていたから、ラインが擦れていたのだろうか。結束部分のこまめなラインチェックは必要だな。

鮎カラーは一枚しかなかったので、その後は赤金のスプーンに変えたが、赤金でも変わらず釣れた。

流れに返す

最初に釣れた唯一のメス(24cm)と、次に釣れたオス(29.5cm)をキープした後、見事に同じサイズにそろった30センチ前後のオスばかり釣れた。

2時間弱の間に、立派なオスのケタバス を5〜6尾はリリースした。大満足で6時前に納竿。

この日の獲物は、安曇川最上流近くで釣ったアマゴ1尾と、下流で釣ったケタバス2尾。

安曇川の源流と下流での獲物

ケタバスは、骨切りを入れて塩焼きにしたら、予想通りの美味だった。

コイ科のケタバスは、アマゴやイワナなどの渓流魚に比べると、肉質がやや水っぽい。しかし、真夏なのに臭みは全くなくて本当に美味い。次は、もっとキープして一夜干しとかも試してみよう。

ケタバスのルアー釣り。こんなに手軽で楽しいのに、何で今までやらなかったのか不思議だ。(ブラックバス釣りへの反発が、何となくルアーを敬遠してきたというのはあるにせよ…)

夕方のたった2時間で、一気に世界が広がった。そして、夏の楽しみが増えた!