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渇水の渓流で大スランプ

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9月末の渓流禁漁が迫って来たが、8月の酷暑の後、山を湿らせるようなまとまった雨が降っていない。渇水状態を引きずったまま、今年のシーズン終わってしまうのか?という嫌な予感がする。

源流域のイワナはルアーで釣れるようになったが、まだ良型のアマゴは釣っていない。今シーズン中に、何らかの手応えをつかめるのかどうか。9月前半は、白滝谷、大見川、そしてアシビ谷に行ったが、いずれも苦戦続きだった。

やたら痩せたイワナ(9月8日、明王谷支流・白滝谷)

8月から何度も入ってる白滝谷に、朝6時過ぎから入った。水は減水気味だが、渇水がひどかった前回に比べたら、流れはやや太くなったようだ。

しかし、のっけからキャスティングの精度が悪すぎて自己嫌悪に陥った。サイドキャストで気合を入れて、竿先を目標方向で止めることに意識し過ぎると、左にヒョロヒョロ流れてしまう癖がある。明らかに、指を離すタイミングが悪いのだと思う。

釣り始めて2時間ほど、ルアーを追う渓魚の姿さえ見えなかった。

白滝谷の痩せたイワナ

しかし、午前8時にようやく一尾、釣る事ができた。キープサイズにはもう少しで届かない、18センチぐらいのイワナ。やたら痩せているが、アタマが大きくて尾びれが立派ででかい。

その後も、続けて同じくらいのイワナを2尾を釣った。

いずれも、やたら痩せていたが、頭と尾びれの大きさが目を引いた。こういう個体は、成長したら大型になるのではないだろうか?

沢登りの人に追いつかれた

11時半ごろ、二条の滝に着いた。確証は持てないが、たぶん白髭渕と呼ばれてる所だ。白滝谷の中では数少ない大場所である。その滝壺に、何度かスプーンを投入して攻めてると、背後に人の気配を感じた。

あちゃー、沢登りのカップルに追いつかれてしまった。若い男性はちょっと恐縮してたが、こればかりはどうしようもない。沢登りの人が追いつく事も想定して朝早くから釣り始めてるのだから、ここでスパッとやめる。

この滝を登った後、「夫婦の滝」までの間は、滑(ナメ)やゴルジュ状の流れが次々と現れる、心躍る核心部となる。先月も良い型のイワナが釣れたので、期待していたのだが、今日のところは断念するしかない。

「登ってる時けっこうイワナが走ってた。テンカラで釣れそうですね」と、その男性。テンカラ釣りは、ひょっとしてポピュラーになってるのか?

釣れるはずの沢で釣れないジレンマ

スパッと気持ちを切り替え、ロッドをたたんで、沢沿いの登山道を下り始めた。牛コバを過ぎて、ワサビ谷出会い付近から明王谷に入った。

いつ来ても、手前の渕尻と岩盤の壁沿いに定位個体がいるプールでは、今回は渓魚(おそらくアマゴ)の姿は見えなかった。釣られてしまったのか、渇水だから定位置を変えたのか。

申し分ない流れだが、釣れない

短いスパンの荒瀬にひたすらスプーンをキャストして流れに乗せてトレース。これを延々繰り返した。いかにもアマゴが飛び出しそうな流れに囲まれているのに、ほとんど反応がない。

岩盤沿いの流れのある深みに倒木が絡んでいたりして、絶対に出るはずのポイントに気合入れてキャストしても、何の反応もない。

口ノ深谷出会いを越えて、橋の下をくぐると、両側に岩盤が迫って昼なお暗い大場所に出る。

滝壺の手前の大岩を巻き込む形で、両側の壁との間に深くて速い流れがあり、通常の水量なら近づくのも気がひけるような荒い流れだが、渇水の今ならルアーを流せる。がんばって近づいて、ちょっと重めの5グラムのスプーンを投げた。

昼なお暗い、明王谷の大場所

ルアーが流れる層よりももっと底で、25センチは超えそうな渓魚が動くのが見えた。しかし、流れの距離が短く、そこまでルアーを沈める余裕がない。

渇水にもかかわらずけっこうな迫力で落ちる滝の滝壺に投げたら、数投目に根がかりしてしまった。さすがに、この流れの中に手を突っ込んで回収する気は起きなかった。ルアー紛失のタイミングでちょうど5時になり、ここで切り上げた。

それにしても明王谷(の本流では)、まったく釣れない。キンキンに透き通ったコバルトブルーの流れは群を抜いて美しいし、どう見ても良い型の渓魚はおり、流れも(水の多い明王谷だから、渇水気味で)申し分なく釣りやすいはずだ。それなのに、ほぼ無反応というこの成果。