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再び明王谷へ

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二日連続で、葛川支流の明王谷、その枝谷の白滝谷に入った。

前日に、ついにルアーでイワナを釣ったので、ここで感触をしっかりモノにしておきたいし、確実にイワナやアマゴなどの渓魚を釣るには、カワムツなどの外道がいない山深い沢に入るしかない。エサ釣りからテンカラに移行した時も、伊賀谷やアシビ谷での「釣れる」経験が自信につながった。

最高気温は37度とか38度、そして最低気温27度の熱帯夜が当分続くという。これはもう、仕事そっちのけで、沢に行くしかない。この日は最初から白滝谷に直行することにした。

エメラルドグリーンの明王谷

7時半に明王谷の林道入り口に着いた。すっかり明るくなっているが、車もバイクもまったく停まってないので、気持ちに余裕を持って林道を登り始める。

坊村から牛コバに登る林道

武奈ヶ岳の稜線から陽が上ってだいぶ高い。もう1時間以上前に着いて、林道を登った地点で一服して、7時過ぎに入渓するぐらいでもいいだろう。

三の滝入り口を越えたあたり、汗だくのスポーティーな登山者がおりてきた。白滝山に登ってきたらしい。

ワサビ谷合流地点で、林道から斜面を下り、眼下の谷に下りた。すでに、谷は明るい! 本当に、もっと早く入ってもいいぐらいだ。

最初からルアーロッドを持ち、6月にリールを破損したプールから釣り始めた。

プール手前の真ん中で定位していた渓魚が、すぐ足元まで、チェイスしてきた。前回、岸壁沿いにもアマゴらしき渓魚が定位していたので、右寄りにも何度かキャストして流してみた。

ここでは結局釣れなかったが、これまではなす術がなく敬遠してきた、このような大場所で、あれこれ試して粘れるようになったのが楽しい。

その後、短い段々瀬や、中場所とも言うべきヒラキなどで、丹念にキャストした。

明王谷、コバルトブルーの水

1200メートルを超える武奈ヶ岳を筆頭に比良山地核心部の山々を水源に持ち、上流の奥の深谷、口の深谷、白滝谷のいずれも豊かな自然林に抱かれている。

そのためだろう、明王谷の水はいつもキンキンに透き通っている。

晴れた日の明王谷は、エメラルドグリーンの水が木漏れ日にキラキラ輝き、沢歩きの至福を感じれて本当に最高だ。

明るい谷で、6時間まったく釣れず

エメラルドグリーンの沢の中で、気持ち的には余裕をかましているが、しかし昼になってもまだ1尾も手にしていない。バラシすらない。

昨日、アタリが頻発したプールでは、第一投で、右側の陸地部分の向こう側の石にルアーを引っ掛けてしまった。回収のため、プールまるごとポイントをつぶしてしまった。

ちなみに、ルアーの根がかりは、丸石の間に引っかかってるだけの場合が多い。6割ほどは、上流に回り込んでゆっくり引っ張ると簡単にすっぽ抜けてくれる。それでも抜けない場合は、白泡直下だと少しつらいが、びしょ濡れになって肩まで濡れて手を突っ込めば、ほぼ回収できる。

この日のルアーロスは、ルアー交換時にまさかの足元落としで見失った一個のみで済んだ。

目玉を釣ってしまった

13時ごろ、昨日まさに白滝谷に入ったのと同じ時間に、奥ノ深谷分岐に到着。渓の様相は最高なのに、5時間かけて、1尾も釣れていないのはいったいどうしたものか。やはり、下手過ぎるということか。

左手から合流する奥ノ深谷に少しだけ入ってみた。傾斜はさほどなく、嬉しくなるような中場所が連発して現れる。テンカラ竿を振るしかないような素晴らしいヒラキで、まずはテンカラ、その後にルアーを試したが不発だった。

白滝谷の流れ

早々に切り上げて分岐まで下り、白滝谷に移動した。

白滝谷は、入り口こそ、落ち込みが分散した流れになっているが、少し上がると、そこそこ広い中場所が続いて釣りやすい。

アタリがあったので合わせると、魚は釣れず、しかし何かがついている。まさか?と思って確認すると「目玉」だった。イワナを1尾、片目にしてしまった。ゴメンなさい。

小さいアマゴも釣れた

ほどなく、15cmほどのイワナが釣れた。朝8時から釣り始めて、ようやく、渓魚に触れることができた。いつもの事だが、最初の一尾を手にすると、精神的にホッとする。我慢の時間が長ければ長いほど。

ルアーで初めてアマゴを釣った

落ち込みの白泡の近く、手前の岩の陰になってラインが見えないところでブルブルっという明確なアタリが出た。合わせると、なんと小アマゴが釣れた!

てっきり、ここまで登るとイワナしかいないと思っていたが、開きの中に定位していて、俊敏にルアーに駆け寄ったりする影の中には、アマゴも多いのかもしれない。

ヒラキ手前や脇の、流れがゆるいところに流したとき、物陰から飛び出す黒っぽいのはほぼイワナだろう。そのようなイワナの中には20cmを余裕で越えるのもいた。

がんばれば、キープサイズも手にできるだろう。

リリースサイズの可愛いイワナ

結局、目玉を引っ掛けたあとに運が向いてきたのか、終盤になって立て続けに、小イワナ2尾と小アマゴ1尾を釣った。もちろんすべてリリース。白滝谷の渓相もすばらしく、まだこの先の上流も十分釣りが楽しめそうだ。

5時過ぎに納竿し、40分かけて坊村の林道入り口まで下る。牛コバの白滝谷入り口付近では、サルナシの木を発見した。実はついてないっぽい。

林道を下る途中に、遠くで雷が聞こえて、懐かしい気がした。そういえば、日中はカーッと晴れても、夕立がザッと降って涼しくなるというのが、子供の頃の、普通の夏だったと思う。

明王谷の流れ

降ったかと思えばゲリラ豪雨のように局部的に殺人的に降りまくり、梅雨が明けたかと思えば37度とかの殺人的な猛暑がぶっ通しで続く。ここ数年、本当に地球がぶっ壊れたのを実感する。

この日は、晴れたり曇ったりだが、晴れた時の、日が差した明王谷を満喫できた。

二日連続で、白滝谷で渓魚をルアーで釣った。チビイワナばかりで、持ち帰りの獲物はまだゼロだが、釣れる感触はつかめてきた。3日ぐらいは、釣りしなくも大丈夫だ。